振袖の三段活用 カワブロvol.30

母方の祖母は、母のため、若菜色に御所車が描かれた振袖を誂えたそうです。

実家を訪れた際、いまだ茶の間に飾られているわたしの振袖写真を見つけて、それで何気なく母に聞いてみたのでした。

 

「そういえばお母さんって、振袖着たの?」

奔放な母は、都会に出たまま、成人の日に帰郷することなく、成人式を欠席。

若くてピチピチの、二十歳の頃の記録を写真に残すことのないまま。

祖母の誂えた振袖は、父との結納で初めて袖を通したそうです。

わー、さすが(わたしの母)!

 

「だから娘のわたしたちに、成人式に出ろでろ、うるさかったのか…。

でも、だったらどうしてそれ。

わたしたちの時に出してくれなかったの?」

 

その、疑問への答えはこうでした。

 

「ほれ!

あんだだぢさ着せだやづ。」

えー、掛け着が緑って…。

普通、女の子って赤じゃない?

とツッコミつつ見せてもらった写真は、生まれ子のわたしのための、お宮参りの風景写真。

祖母に抱かれたわたしに掛けられた祝い着が、若菜色のそれだったんです。

 

 

「これ!見たことあるーっ!」

そう、その祝い着は、七五三でわたしが着たもの。

わたしの七五三の着物は、実は母の振袖だったもの、だったんです。

「すごい!三段活用だ!」

 

母の振袖から、お宮参りの掛け着へ、そして最後に七五三の衣装へと。

母によってその目的が果たされなかった、春江おばあちゃんの想いが込められた振袖は、孫のわたしたちの、それはそれは可愛らしい姿によって日の目を見ることができたわけですね。

 

わたしにも。

娘できたら、自分の七五三の着物を着せたいなぁ…という、小さな夢がありました。

もしそれがかなっていたら、なんと四段活用だったわけです。

 

着物って、面白いですね。

一生に一度の晴れの日、成人式の振袖、ではありますが、一度しか着ないものならば、それはレンタルで十分、経済的で合理的、と思っていました。

 

でも、母の振袖が、実はわたしたちの七五三の着物にお直しされていて、それを知らずともわたし自身、とても気に入っていたことを知り。

娘ができたら、誂えてあげることも素敵だなぁと思うようになりました。

だってその娘が娘をもうけ、孫にあたるその子がまた、その振袖を着てくれたなら。

おばあちゃんは、「こんなうれしいことはないわよ」、と。

 

小いけでも、ママ振りリメイクを承っております。

お母さまの振袖に、イマドキ!の帯や小物を合わせてコーディネートされるお嬢様もいらっしゃいます。

 

丁寧にお手入れされた振袖は、お嬢様の美しい姿に蘇り、若かりし頃の思い出にまた新しい風を吹き込みます。

 

「あぁ本当に!わたしに娘がいたならなぁ…。」

息子に孫ちゃん(女の子)ができるまで…、それはその時までのお楽しみとして。

目標!孫ちゃんができたら、振袖を一枚誂える!

 

まだまだ結婚はしないであろう息子に、そんな夢を託して…。

わたしはわたしで、まずはお仕事頑張ります。

 

いよいよ2月になりました!

 

また、新たに気を引き締めてがんばります(孫ちゃんの振袖軍資金を貯めなくちゃw)!

 

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