こんなに細いのをどうやって紡ぐの?越後上布に使う極細の苧麻の糸
雪深い越後国に古くから伝わる極上の麻織物があります。越後を代表する極上織物と言うことから、「越後上布」と呼ばれ、日本三大麻織物として知られています。極細の手紡ぎの糸を使い、薄くて軽く、夏にとても着ごごちの良い織物である事こら献上品として使われる事もあった様です。
「苧麻」と呼ばれる麻科の植物を指の先で何度も何度も細く裂いて、それを何本か撚り合わせて糸を紡ぐ。気の遠くなる様な手仕事をして極上の糸を作ります。
今ではその工程の担い手が少なく、技術を残していく事が非常に難しくなっているそうです。その貴重な染織資料として越後上布の糸を見せて頂きました。
同じくここ山形県鶴岡市関川の「榀織」の様に、地域に古くから伝わる織物が全国各地にありました。今ではその多くが失われ、残った産地も何とか続けられている状況だそうです。
生活の中で使われる事の無い物はやがて薄れて行きます。それでも形を変えてでも残したい文化や知恵があります。