着物はじめ事はじめ〜22〜
縁側で、ステテコ姿で寛ぐ波平さんの横にいるのは、きちんとした格好で寄り添う、着物姿のおフネさん。テレビアニメ、「サザエさん」の劇中でよく見る風景です。
カツオ!サザエ!がどんなに横でドタバタしようと、いたって冷静。
いつもきちんとしています。
騒がしい一家の中で、しゃん、と着物の襟を正し、穏やかに家族を見守る。
そして時にはピシリと厳しい言葉をかける。
まさに昭和のお母さん。
わたしの憧れです。
息子が小学生の時代。
授業参観のたびに着物を着て出かけていました。
おフネさん、のように、着物は特別なものではなく、「普通のもの」というテイで。
すると回りのお母さんたちから、いつの間にか「あの人は作家さん」と噂されるように。
なぜって?
仕事は何をしているのかという問いに、…出版系?と、もったいつけて答えていたことが手伝って。
いえいえ、わたし…、いたって普通の会社員でしたから(残念)!
この平成の世において。
やっぱり着物は、特別なもの。
着物=普通のもの、という概念は、なかなか浸透していきませんでした。
だってわたし自身、毎日着物を着る!という「目標」を持って、「がんばって」着物を着ていたんですから。
そう。無理に普通を装っていたわけです。
仕方ないですよね。
そこへいくとおフネさんは違います。
横で夫、波平さんが、どんなにだらしない格好をしていようと、お風呂上がりのタラちゃんが、素っ裸で駆け回ろうと、そこはさすがのおフネさん!
ハイハイはい、と涼しい顔で、普通に、ふだん通り。
日々変わることなく着物姿で家事をこなします。
あぁ、やっぱりおフネさんて、すごい!
着物で暮らすということが、彼女にとっては当たり前の生活なんですもの。
きっとキレイに簡単に。
着物生活を過ごす工夫を、それこそたくさん知っているのでしょう。
もしかして。
波平さんのステテコを、ちゃっかり愛用していたりしてw
そんなわたしも。
ゆるゆる楽ちん!な、ステテコが大好きです。
波平さんのように、縁側で寛ぐためでなく。
襦袢の下に履く、ステテコが好きなんです。
最近ではユニクロさんで、色柄豊富に取り揃えてあって、夏には何本か購入しましたが…それは波平スタイル、で寛ぐ時の用にして。
和装用の、白いステテコが、本当に大好きなんです。
あの、レース使い。
裾のひらひらが、なんてったってめちゃくちゃ可愛い!
皆さんの襦袢の下は、どんな風ですか?
もちろん。
きちんとした場に着ていくお着物の襦袢の下は、肌着から裾よけ、肌襦袢。
わたしはどうも裾よけが苦手なので、ワンピース型の着物スリップを代用します。
着方教室でも、お稽古なので補正から下着まで、基本的な着方をちゃんとします。
ではでは!
気軽に気楽な、ふだん着物の時はどんなでしょう?
最近のわたし、皆さまの着物姿…の、中身が気になって仕方ありません。
まさか…。
裾をめくって見せてください、とは言えず。
ただただその中身を想像しては悶々としている日々を送っています。
見えないところだからこそ、のおしゃれを、皆さんどうしているのかな、と。
裾を捌いたときにちらりと見える襦袢の、その先の、おしゃれ。
むむぅ…、気になる×きになる!
襦袢で、遊ぶ。
足袋や肌着で、遊ぶ。
まだまだお着物の世界には、わたしの知らない楽しみが広がっているようです。
わらしべ長者…、のように。
ひとつずつたぐりよせ、その世界の隅々までを見渡せるように。
わたしの着物道はまだまだ。
道のり遠く続いていきます…。あぁ、すごく長いなぁ…。
そうそう。
着物で授業参観、の話には実は続きがありまして(お恥ずかしい話なのですが)。
高学年にもなった息子は、参観日のお知らせを、“参観日が終わってから”わたしに見せるようになりました。
参観日が終わってから、ですよ?
授業参観行けないぢゃん!
どうやらその頃の彼。
着物で参観する母を、恥ずかしがるお年頃、だったようです(トホホ)。
無理は歪みを生むのだと、今さらながら反省し、思春期に突入する我が子の、可愛らしい抵抗を思い返してほっこりしつつ、遠く離れてしまった彼に、想いをはせるカワノでした。